素晴らしき世界
第38章 ニノちゃんの鬼退治
【恋人より友情鬼】
仕事が終わってスマホを見ると
旬からの着信が残っていた。
珍しいな……
昔はよく飲みに行ってたけど、
子どもが出来てからは回数は減った。
ここ最近は2人目が産まれて、
着信すらなかった。
何かあったのかもと思い、
すぐに電話をかけた。
『もしもし』
「俺だけど、何かあった?」
『大したことじゃないんだけどさ。
でもまだ仕事の途中だよな?』
時刻は19時。
いつもならまだ
一本くらい仕事が残ってる時間。
「いや、もう終わったよ」
『マジで!じゃあ、今から家来れる?』
あからさまにテンションが上がる旬。
でも何か予定があった気が……
『実はさ……』
考えているうちに旬が用件を話し始め、
予定を思い出す前にOKの返事を
するしかなかった。
「待てぇぇぇ」
「おぃわーそと」
旬の娘が鬼のお面を被った俺に、
豆を優しく投げる。
「そんなんじゃ、鬼は退治できないよ」
旬が思いっきり俺に豆を投げつける。
「おまっ……」
「ぱぱ、ちゅよーい」
「そうだろ~?」
ニヤリと笑いながら俺を見る。
後で覚えてろよ……
「おぃわーそと」
「うわぁぁぁぁ」
俺は玄関へと逃げていった。
「わりぃな」
「いいよ、気にすんな」
娘を寝かした旬がリビングに戻ってきた。
「俺が鬼をしようとしたら、
パパには投げられないって」
嬉しそうに笑う姿は父親そのもの。
昔はあんなに遊び回ってたのにな……
「何笑ってんだよ」
「真面目だね」
缶ビールをグイッと煽った。
「それはオメーだろーが」
「は?」
旬もグイッと缶ビールを煽る。
「あんなに遊んでたのに、
今は恋人一筋だろ?」
「まぁ……」
『今日は早く帰ってきてね』
玄関で嬉しそうに俺を見送る恋人の顔。
「あぁぁぁぁぁぁ!」
「おいっ、潤!大きい声、出すな。
娘が起きんだろーが」
「わりぃ。俺、帰るわ」
「その様子は……これか?」
ニヤリと笑って小指を立てる。
「あぁ、じゃあな」
俺は急いで恋人の待つ家に向かった。
仕事が終わってスマホを見ると
旬からの着信が残っていた。
珍しいな……
昔はよく飲みに行ってたけど、
子どもが出来てからは回数は減った。
ここ最近は2人目が産まれて、
着信すらなかった。
何かあったのかもと思い、
すぐに電話をかけた。
『もしもし』
「俺だけど、何かあった?」
『大したことじゃないんだけどさ。
でもまだ仕事の途中だよな?』
時刻は19時。
いつもならまだ
一本くらい仕事が残ってる時間。
「いや、もう終わったよ」
『マジで!じゃあ、今から家来れる?』
あからさまにテンションが上がる旬。
でも何か予定があった気が……
『実はさ……』
考えているうちに旬が用件を話し始め、
予定を思い出す前にOKの返事を
するしかなかった。
「待てぇぇぇ」
「おぃわーそと」
旬の娘が鬼のお面を被った俺に、
豆を優しく投げる。
「そんなんじゃ、鬼は退治できないよ」
旬が思いっきり俺に豆を投げつける。
「おまっ……」
「ぱぱ、ちゅよーい」
「そうだろ~?」
ニヤリと笑いながら俺を見る。
後で覚えてろよ……
「おぃわーそと」
「うわぁぁぁぁ」
俺は玄関へと逃げていった。
「わりぃな」
「いいよ、気にすんな」
娘を寝かした旬がリビングに戻ってきた。
「俺が鬼をしようとしたら、
パパには投げられないって」
嬉しそうに笑う姿は父親そのもの。
昔はあんなに遊び回ってたのにな……
「何笑ってんだよ」
「真面目だね」
缶ビールをグイッと煽った。
「それはオメーだろーが」
「は?」
旬もグイッと缶ビールを煽る。
「あんなに遊んでたのに、
今は恋人一筋だろ?」
「まぁ……」
『今日は早く帰ってきてね』
玄関で嬉しそうに俺を見送る恋人の顔。
「あぁぁぁぁぁぁ!」
「おいっ、潤!大きい声、出すな。
娘が起きんだろーが」
「わりぃ。俺、帰るわ」
「その様子は……これか?」
ニヤリと笑って小指を立てる。
「あぁ、じゃあな」
俺は急いで恋人の待つ家に向かった。