素晴らしき世界
第39章 愛と浮気のチョコレートケーキ
ポケットからスマホを取り出し、アプリを開く。
『あ行』を2回タップし、予測変換で表示された最初の言葉を押していくと文章がすぐに作成された。
【今、電車を降りました】
帰りを知らせるメッセージを送ると、すぐに返信が来た。
【わかりました。ご飯の用意しますね】
これもいつもと変わらない同じ文章。
他人から見たら、マンネリ化したような……淡々としたやり取りに見えるかもしれない。
でも、それは違う。
俺にとって同じやり取りを繰り返す幸せがここにはある。
恋人の隣を歩ける。
恋人の笑顔を見れる。
恋人の寝顔を見れる。
恋人の声を聞ける。
恋人が作ったご飯を食べる。
恋人とキスができる。
恋人とひとつになれる。
数えきれないくらいの当たり前や他人にとって何の気なしに過ごしている日々。
でも俺たちはその『当たり前』を感じることなく、一瞬で儚く消え去った。
そしてもう2度とその日々を取り戻すことがないと……
でも、恋人は再び俺の前に現れてくれた。
だだ最初に出会った時には俺の事を覚えてはいなかった。
同じだけど……同じじゃない。
少し不思議な感覚だけど、好きという気持ちは変わらなかった。
そしてそれは相手も同じだった。
俺を覚えているようで覚えてない。
でも、あの時と同じように俺をまた好きになってくれた。
そして、今こうやって同じ時間を歩み始めた。
最初の頃は俺がスマホに文字を打って会話のやり取りをしていたけど、今は目を合わせて話が出来る。
周りも隣にいる恋人の存在を誰もが認識し、声も聞こえる。
あの時出来なかったたくさんの事が、いつしか当たり前へと変わった。
家へと向かう階段を上がる。
ドアノブを回して引くと、部屋からの灯りが漏れる。
パタパタと足音が近づいてくる。
ドアを閉め、振り返ると恋人が立っていた。
『お帰りなさい』
ニッコリといつもの笑顔を俺に向ける。
「ただいま」
最初に出会った時の幽霊じゃない、和也が俺をいつものように出迎えた。
『あ行』を2回タップし、予測変換で表示された最初の言葉を押していくと文章がすぐに作成された。
【今、電車を降りました】
帰りを知らせるメッセージを送ると、すぐに返信が来た。
【わかりました。ご飯の用意しますね】
これもいつもと変わらない同じ文章。
他人から見たら、マンネリ化したような……淡々としたやり取りに見えるかもしれない。
でも、それは違う。
俺にとって同じやり取りを繰り返す幸せがここにはある。
恋人の隣を歩ける。
恋人の笑顔を見れる。
恋人の寝顔を見れる。
恋人の声を聞ける。
恋人が作ったご飯を食べる。
恋人とキスができる。
恋人とひとつになれる。
数えきれないくらいの当たり前や他人にとって何の気なしに過ごしている日々。
でも俺たちはその『当たり前』を感じることなく、一瞬で儚く消え去った。
そしてもう2度とその日々を取り戻すことがないと……
でも、恋人は再び俺の前に現れてくれた。
だだ最初に出会った時には俺の事を覚えてはいなかった。
同じだけど……同じじゃない。
少し不思議な感覚だけど、好きという気持ちは変わらなかった。
そしてそれは相手も同じだった。
俺を覚えているようで覚えてない。
でも、あの時と同じように俺をまた好きになってくれた。
そして、今こうやって同じ時間を歩み始めた。
最初の頃は俺がスマホに文字を打って会話のやり取りをしていたけど、今は目を合わせて話が出来る。
周りも隣にいる恋人の存在を誰もが認識し、声も聞こえる。
あの時出来なかったたくさんの事が、いつしか当たり前へと変わった。
家へと向かう階段を上がる。
ドアノブを回して引くと、部屋からの灯りが漏れる。
パタパタと足音が近づいてくる。
ドアを閉め、振り返ると恋人が立っていた。
『お帰りなさい』
ニッコリといつもの笑顔を俺に向ける。
「ただいま」
最初に出会った時の幽霊じゃない、和也が俺をいつものように出迎えた。