素晴らしき世界
第39章 愛と浮気のチョコレートケーキ
「今日は早かったんですね」
いつまで経っても抜けない敬語。
和也の人となりを表している気がして、それがとても心地いい。
「うん、仕事がスムーズに進んだんだ」
和也の休みの日はいつもより気合いが入って、仕事が円滑に進む。
けど、こんなに早く帰れる日は滅多にない。
ご飯はさずがにまだろうなって思っていたけど、俺の大好きなものがすでに出来上がっていてお皿に盛りつけられていた。
「晩御飯の準備、急かしてゴメンね?」
「そんな事ないですよ?だって……」
言葉が途切れると同時に足を止めた。
「何となくですけど……早く帰ってくるんじゃないかなって思って」
頬をほんのり赤く染め、嬉しそうに笑った。
ヤバい、可愛い。
俺が早く帰って来て欲しいって思ってたんだよね?
俺は持っていた鞄を手から離すと、ギュッと抱きしめた。
「智…さん?」
和也はビックリすると、どうしてもさん付けになる。
それがまた、可愛かったりする。
いや……可愛すぎる。
「智、痛い……」
知らぬ間に和也の背中に回していた腕に力が入っていたみたい。
「ごめんごめん」
謝りながら愛おしい温もりを手放し、歩き出そうとしたら和也が俺の背広の裾をギュッと掴んだ。
「ん?どうした?」
「あっ、あの……もう少し……だけ……このままで」
下を向いてた和也が顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見つめる。
珍しく素直な和也の願いを、俺が叶えない訳がない。
和也の身体を、もう一度抱きしめた。
「もう少しじゃなくて、いつまででもしてあげるよ?」
「ありがとう……ございます」
胸に顔を埋めながら小さな声で呟く。
グルルッ…
最悪のタイミングで俺の腹の虫がなる。
マジ空気読めよ。
「ふふっ、お腹空きましたよね?ご飯、用意しますね」
再び、愛しい温もりが離れていく。
名残惜しいけど大丈夫。
またいつでも抱きしめられる。
でも、今日は時間もあるし……
抱きしめるだけで終わりそうにないな。
「早く着替えて、手を洗ってくださいね?」
「うん、わかった」
そんな気持ちを胸に秘めながら、スーツを脱いでいった。
いつまで経っても抜けない敬語。
和也の人となりを表している気がして、それがとても心地いい。
「うん、仕事がスムーズに進んだんだ」
和也の休みの日はいつもより気合いが入って、仕事が円滑に進む。
けど、こんなに早く帰れる日は滅多にない。
ご飯はさずがにまだろうなって思っていたけど、俺の大好きなものがすでに出来上がっていてお皿に盛りつけられていた。
「晩御飯の準備、急かしてゴメンね?」
「そんな事ないですよ?だって……」
言葉が途切れると同時に足を止めた。
「何となくですけど……早く帰ってくるんじゃないかなって思って」
頬をほんのり赤く染め、嬉しそうに笑った。
ヤバい、可愛い。
俺が早く帰って来て欲しいって思ってたんだよね?
俺は持っていた鞄を手から離すと、ギュッと抱きしめた。
「智…さん?」
和也はビックリすると、どうしてもさん付けになる。
それがまた、可愛かったりする。
いや……可愛すぎる。
「智、痛い……」
知らぬ間に和也の背中に回していた腕に力が入っていたみたい。
「ごめんごめん」
謝りながら愛おしい温もりを手放し、歩き出そうとしたら和也が俺の背広の裾をギュッと掴んだ。
「ん?どうした?」
「あっ、あの……もう少し……だけ……このままで」
下を向いてた和也が顔を上げ、潤んだ瞳で俺を見つめる。
珍しく素直な和也の願いを、俺が叶えない訳がない。
和也の身体を、もう一度抱きしめた。
「もう少しじゃなくて、いつまででもしてあげるよ?」
「ありがとう……ございます」
胸に顔を埋めながら小さな声で呟く。
グルルッ…
最悪のタイミングで俺の腹の虫がなる。
マジ空気読めよ。
「ふふっ、お腹空きましたよね?ご飯、用意しますね」
再び、愛しい温もりが離れていく。
名残惜しいけど大丈夫。
またいつでも抱きしめられる。
でも、今日は時間もあるし……
抱きしめるだけで終わりそうにないな。
「早く着替えて、手を洗ってくださいね?」
「うん、わかった」
そんな気持ちを胸に秘めながら、スーツを脱いでいった。