素晴らしき世界
第39章 愛と浮気のチョコレートケーキ
『実はね……』
眉を下げ、申し訳なさそうに話し始めた。
『松岡さん、毎年パーティーをするんだ。クリスマス前に……まぁ、忘年会かな?』
和也の話を聞いて思い出した。
そう言えば去年、潤に誘われた気がする。
『毎年、気合入れて料理してみんなをもてなしてくれるんだ。でもね、事前の準備というか……この時期から試作品を作るんだ』
松岡さんならやりかねないな。
『毎年お手伝いしてたんだけど、去年は病み上がりだったから……で、今年は『手伝ってほしい』ってお願いされたんだ』
和也の料理の腕前はどんどん上がっていて、今まで作ってくれた料理は美味しいものばかり。
だから定食屋に復帰した和也は欠かせない存在で、松岡さんが頼る理由も理解できる。
「閉店してから試作品を作るから、どうしても帰りが遅くなちゃうんだ。智も疲れて寝てるのに深夜に帰って起こしちゃったら申し訳ないし……」
和也が気を遣っているのはわかる。
でもどんなに俺が忙しい時でも、例え時間が短くったって顔を合わせていた。
「和也は俺に会えなくて……寂しくないの?」
和也が俺のことを思って考えているのに、納得できない自分がいる。
俺……我が儘だな。
『もしね……智が良かったら、晩ご飯、食堂で食べない?』
「…えっ?」
質問の答えになってない和也の言葉に、思わず聞き返してしまった。
「仕事終わりに店に寄ってくれたら、まかないみたいなのだけどご飯作れるから。もしお客さんが少なかったら松岡さんが一緒に食べてもいいって……」
和也の言葉は十分、俺の質問の答えになっていた。
和也も俺と同じように寂しいと思ってくれていた。
そして少しでも会えるように考えてくれた。
「わかった。でも、無理しないでね」
話し終わった和也をギュッと抱きしめた。
『うん。ねぇ、智……』
「ん?」
俺に包まれたままの和也が顔を上げる。
『キス……して?』
そんな潤んだ目で言われたら……
「キスだけじゃ止まらないけど……いい?」
『う…んっ』
和也が返事する前に唇を塞いだ。
眉を下げ、申し訳なさそうに話し始めた。
『松岡さん、毎年パーティーをするんだ。クリスマス前に……まぁ、忘年会かな?』
和也の話を聞いて思い出した。
そう言えば去年、潤に誘われた気がする。
『毎年、気合入れて料理してみんなをもてなしてくれるんだ。でもね、事前の準備というか……この時期から試作品を作るんだ』
松岡さんならやりかねないな。
『毎年お手伝いしてたんだけど、去年は病み上がりだったから……で、今年は『手伝ってほしい』ってお願いされたんだ』
和也の料理の腕前はどんどん上がっていて、今まで作ってくれた料理は美味しいものばかり。
だから定食屋に復帰した和也は欠かせない存在で、松岡さんが頼る理由も理解できる。
「閉店してから試作品を作るから、どうしても帰りが遅くなちゃうんだ。智も疲れて寝てるのに深夜に帰って起こしちゃったら申し訳ないし……」
和也が気を遣っているのはわかる。
でもどんなに俺が忙しい時でも、例え時間が短くったって顔を合わせていた。
「和也は俺に会えなくて……寂しくないの?」
和也が俺のことを思って考えているのに、納得できない自分がいる。
俺……我が儘だな。
『もしね……智が良かったら、晩ご飯、食堂で食べない?』
「…えっ?」
質問の答えになってない和也の言葉に、思わず聞き返してしまった。
「仕事終わりに店に寄ってくれたら、まかないみたいなのだけどご飯作れるから。もしお客さんが少なかったら松岡さんが一緒に食べてもいいって……」
和也の言葉は十分、俺の質問の答えになっていた。
和也も俺と同じように寂しいと思ってくれていた。
そして少しでも会えるように考えてくれた。
「わかった。でも、無理しないでね」
話し終わった和也をギュッと抱きしめた。
『うん。ねぇ、智……』
「ん?」
俺に包まれたままの和也が顔を上げる。
『キス……して?』
そんな潤んだ目で言われたら……
「キスだけじゃ止まらないけど……いい?」
『う…んっ』
和也が返事する前に唇を塞いだ。