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素晴らしき世界

第12章 サプライズ大作戦

【翔side】

和「おきてー、しょうにぃー」

俺の身体が揺れる。

「まだ、早いだろ……」

和「おきろー」

「うっ……」

俺の腹の上に衝撃が走る。

目を開けると、和が跨っていた。

和「おきろー、おきろー」

頬をぺチぺチと叩かれる。

「もう、わかったから降りて」

和「はーい」

ニコニコ笑いながら和が俺から離れた。

俺は手を伸ばし目覚ましを探す。

時刻は8時。

今日は土曜日。

いつもなら仕事だが、
智が仕事で和が見れないので
有休をとった。

「まだ、寝れるじゃん……」

布団を顔まで被ると、和に剥がされる。

和「だめ、おとまりいくよー」

「は?お泊り?」

和「うん、みんなでいくー」

嬉しそうに笑う和は
新しい服に身を包んでいた。

寝室を出て、リビングを覗いた。

「おはよー」

智雅「おはよう」

智が荷造りの準備、
雅紀はパソコンで何かを調べていた。

「えっ?今日仕事じゃないの?」

智「あっ、それ嘘」

「へっ?」

智「もう、情けない顔しないの。
取りあえず着替えて、出かける準備。
あっ、泊まりだからね!」

「出かけるって……」

智「あっ、あれ入れてない」

俺の言葉を聞き終わる前に
智は別の部屋に入って行った。

台所を覗くと、潤がおにぎりを作っていた。

「おはよー」

潤「おはよう。って、まだ寝間着なの?
早く、着替えて準備して!」

「いやっ、だから……」

潤「雅にぃー」

俺の話、最後まで聞けよ……

雅「はーい」

座ったまま、振り返り台所を覗き込んだ。

潤「翔にぃの服、コーディネートして!」

雅「ラジャー」

立ち上がって、こっちに向かってくる。

「服ぐらい、自分で決めるわ!」

潤「ダサいもん、翔にぃ……」

「おい、潤!」

雅「潤、ウィンナー焦げてる」

雅紀がフライパンを指差す。

「もう、翔にぃのせいだからね」

イライラしながら、コンロの火を消す。

「ほら、行くよ。翔にぃ」

手を引かれて、寝室に入る。

「これと、これと、これっ!」

引き出しから服やズボンを取り出す。

「あのさ……」

「早く着替えて、荷造りしてね。
30分後に出発ね!」

聞くだけ無駄みたい……

へったくそなウインクをして
部屋を出ていった。

俺は急いで服を着替え、荷造りを始めた。

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