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素晴らしき世界

第12章 サプライズ大作戦

智「もう絶対、迷路なんかしない!」

智が拗ねている。

「もう、そんなに怒らないの」

でも、面白くって笑ってしまう。

智「翔、バカにしてるでしょ!」

潤「まぁまぁ、落ち着いて」

潤が弁当を広げながら仲裁する。

智「うわぁ、美味そう!」

さっきまで怒っていたのに
お弁当を見てテンションが急上昇。

智らしいな……

「一人で作ったの?」

潤「うん、冷凍とかもあるけどね」

「朝、早かっただろ?」

潤「そんなに早くないよ。
はい、おにぎりどーぞ」

「ありがとう」

差し出されたおにぎりを受け取った。

「じゃあ、いただき……
おい、もう食ってるのかよ?」

智と雅紀と和は口いっぱいに
おにぎりを頬張っている。

雅「早くしないと、翔にぃの分まで
食べちゃうからね」

また一つ、おにぎりを口に運ぶ。

智「俺も!」

和「かずもー」

潤「もう、そんなに焦らなくても
たくさんあるから大丈夫」

潤が嬉しそうに笑った。

「俺たちも食べようか」

潤「うん」

あっという間に弁当は空になった。

智「お腹いっぱい。潤、ありがとう」

和「じゅんにぃ、ごちそうさま」

雅「うまかったー」

「料理の腕、上げたよね?」

潤「翔にぃよりは上手いからね」

「そうだな……」

智「そんなに落ち込まないの」

「うるせー」

肩を組んできた智の手を
ペチンと叩いた。

和「しょうにぃ、だっこ……」

重い足取りで和が来た。

「眠い?」

「うん……」

抱っこするとすぐ、肩に頭を預けた。

1分も経たないうちに
規則的な寝息が聞こえてきた。

「どうしよっか?」

潤「俺、行きたいとこあって……」

「いいよ、行こう。
抱っこできるから大丈夫」

着いたのは
アクションゲームワールド。

そこには野球盤や
サッカーゲームがあった。

遊ぶのを躊躇している潤。

「せっかく来たんだから
遊ばないと勿体ないぞ」

智「そうだよ。和は翔と交代で見るから」

「でも……」

すると雅紀が空気を読んで

雅「潤、俺に負けるから
行きたくないんでしょ?」

ニヤニヤ笑いながら問いかける。

潤「違うよ!」

負けず嫌いに火をつけた。

雅「じゃあ、行くよ!」

潤「負けなからな!」

雅紀は振り返って、
朝と同じへったくそなウインクをした。

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