素晴らしき世界
第13章 壁越しの想い
【ニノside】
相葉さんとJは一緒に帰っていった。
二人を見送る姿を見て、
翔さんが一瞬驚いていた。
ここからは、二人の姿は見えない。
一体何を見たんだろう……
個室のドアが閉まる音が部屋に響く。
2人きりになるのは久しぶりで
心臓の鼓動が煩い。
そして沈黙が鼓動をより早くする。
どうにかこの雰囲気を変えなきゃ……
「とりあえず、帰りますか?」
俺、声裏返ってないかな……
喉がカラカラで上手く喋れない。
櫻「そうするか……」
返事はしてくれたものの、
上の空っぽい。
俺たちは立ち上がり、
個室を後にした。
会計をしようとしたら、
Jが済ましていた。
さすが、カッコいいよ……
「翔さん、飲んでるよね?」
櫻「あっ、うん」
「俺、飲んでないから送ってくよ」
櫻「ありがとう、頼むわ」
「気にしないでください」
良かった、普通に会話できてる……
でも、話しかけるのは俺ばかりで
翔さん発信の会話はなかった。
車に乗り、翔さんの自宅へと向かった。
車では沈黙が続いた。
赤信号で止まるたび、
横目で翔さんの様子を伺う。
ずっと窓の外を眺めていた。
『どうしたの?』って聞きたい気持ちを
グッと抑えて、アクセルを踏んだ。
「着いたよ。翔さん」
櫻「ありがとう。
良かったら寄って行かない?」
「いい……」
翔さんの顔を見ると、
いつになく真剣な顔だったので
言いかけた言葉を止めた。
「じゃあ、少しだけ……」
俺は駐車場に車を止めて、
翔さんのマンションに向かう。
翔さんは先に上がって
部屋を片付けている。
エレベーターを降りて、
翔さんの部屋のインターフォンを押す。
「開いてるから入って」
俺はドアを開け、部屋に入った。
櫻「ごめん……
あんまり片付けられなかった」
苦笑いする翔さんにクスクス笑いつつ
「あんまり期待はしてないので」
櫻「それ、失礼じゃない?」
「そうですか?」
2人で思わず吹き出して笑った。
櫻「取りあえず何か、飲む?」
「ありがとう、何でもいいよ?」
ソファに座り、荷物を隣に置いた。
櫻「じゃあ、ビール飲む?
今日、飲まなかったんでしょ?」
「ダメでしょ。
飲んだら、帰れなくなりますから」
櫻「……帰らなくてもいいんじゃない?」
「えっ?なに言って……」
相葉さんとJは一緒に帰っていった。
二人を見送る姿を見て、
翔さんが一瞬驚いていた。
ここからは、二人の姿は見えない。
一体何を見たんだろう……
個室のドアが閉まる音が部屋に響く。
2人きりになるのは久しぶりで
心臓の鼓動が煩い。
そして沈黙が鼓動をより早くする。
どうにかこの雰囲気を変えなきゃ……
「とりあえず、帰りますか?」
俺、声裏返ってないかな……
喉がカラカラで上手く喋れない。
櫻「そうするか……」
返事はしてくれたものの、
上の空っぽい。
俺たちは立ち上がり、
個室を後にした。
会計をしようとしたら、
Jが済ましていた。
さすが、カッコいいよ……
「翔さん、飲んでるよね?」
櫻「あっ、うん」
「俺、飲んでないから送ってくよ」
櫻「ありがとう、頼むわ」
「気にしないでください」
良かった、普通に会話できてる……
でも、話しかけるのは俺ばかりで
翔さん発信の会話はなかった。
車に乗り、翔さんの自宅へと向かった。
車では沈黙が続いた。
赤信号で止まるたび、
横目で翔さんの様子を伺う。
ずっと窓の外を眺めていた。
『どうしたの?』って聞きたい気持ちを
グッと抑えて、アクセルを踏んだ。
「着いたよ。翔さん」
櫻「ありがとう。
良かったら寄って行かない?」
「いい……」
翔さんの顔を見ると、
いつになく真剣な顔だったので
言いかけた言葉を止めた。
「じゃあ、少しだけ……」
俺は駐車場に車を止めて、
翔さんのマンションに向かう。
翔さんは先に上がって
部屋を片付けている。
エレベーターを降りて、
翔さんの部屋のインターフォンを押す。
「開いてるから入って」
俺はドアを開け、部屋に入った。
櫻「ごめん……
あんまり片付けられなかった」
苦笑いする翔さんにクスクス笑いつつ
「あんまり期待はしてないので」
櫻「それ、失礼じゃない?」
「そうですか?」
2人で思わず吹き出して笑った。
櫻「取りあえず何か、飲む?」
「ありがとう、何でもいいよ?」
ソファに座り、荷物を隣に置いた。
櫻「じゃあ、ビール飲む?
今日、飲まなかったんでしょ?」
「ダメでしょ。
飲んだら、帰れなくなりますから」
櫻「……帰らなくてもいいんじゃない?」
「えっ?なに言って……」