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オムツン

第28章 二十八枚目

まさか、妻が風俗でアルバイトするなんて…

そんなはずはない

と思うものの、現実には多くの主婦が風俗で働いている。

私と妻の間にセックスはほぼないのだから、妻にだって他に男を作ったり、風俗で働いたりする可能性はあった。

しかし、私はそれを信じたくなかった。

自分は、週に何度もいろんな女性と関係を持っているくせに、棚に上げて、妻には他の男性とは関係を持って欲しくなかった。

…欲しくない、というのか、許せない、というのか。

何だろう、この我が儘な感情は。

プライドだろうか?

嫉妬だろうか?

どちらにせよ、客観的にみれば、器の小さな感情だと思う。

だが、何だかすっきりしない苛立つ感情がそこにあった。

私が黙って考えていると

「どうしたの?」

とカズ君が尋ねてきた。

「いや、まさか俺の妻じゃないか、なんてね」

と私が正直に言うと、カズ君は

「まさか…まあ、たとえそうだとしたら適当に誤魔化せばいいよ」

と言って、ハハハと笑い飛ばした。

私が苦笑いし、カズ君が

「もうすぐ約束の時間なんだけど…」

と言ったとき

カランッ

とチャイムが鳴り、バーの出入口が開いた。

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