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オムツン

第9章 九枚目

「貴女はよく来るんですか?」

私は勇気を出して聞いてみる。

会話を続けたかった。

「ええ…ほとんど毎日…私はこのお店にいると落ち着くし、美味しいでしょう?」

彼女はグラスを挙げてみせた。

私もグラスを持ち上げる。

モルトを透した光が深い焦げ茶色に揺らぐ。

私は水割りを口にする。

香ばしいウィスキーの匂いが拡がる。

美味しかった。

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