金魚鉢の金魚
第1章 金魚鉢の金魚
学生の頃は、二十歳はものすごくオトナに感じた。オトナだと思っていた。けれど、二十二歳になった今でも精神的には、まだまだコドモで。就職も出来ずにフリーター。
アルバイト先では、シフト作成、棚卸しに責任者業務。私より先に入ったパートさんたちからの厭味。理不尽に怒られる日々。
学校という狭い社会から卒業したら、広い広い、自由な世界だと思っていた。だけど、それよりも現実はもっと狭かった。そう、まるでこのコたちのような、金魚鉢の中にいる金魚のように窮屈だ。
餌をやれば、口をぱくぱくさせて食べる二匹。出目金が少し遅れている。私、出目金みたい。友達や周りの人が言っていた。出目金はキモチワルイ。
私はもうすぐこの金魚鉢から抜け出せる。彼が救い出してくれるはず。それなのに、こんなにも苦しい。息が詰まりそうだ。
アルバイト先では、シフト作成、棚卸しに責任者業務。私より先に入ったパートさんたちからの厭味。理不尽に怒られる日々。
学校という狭い社会から卒業したら、広い広い、自由な世界だと思っていた。だけど、それよりも現実はもっと狭かった。そう、まるでこのコたちのような、金魚鉢の中にいる金魚のように窮屈だ。
餌をやれば、口をぱくぱくさせて食べる二匹。出目金が少し遅れている。私、出目金みたい。友達や周りの人が言っていた。出目金はキモチワルイ。
私はもうすぐこの金魚鉢から抜け出せる。彼が救い出してくれるはず。それなのに、こんなにも苦しい。息が詰まりそうだ。