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金魚鉢の金魚ー夫婦の在り方ー

第3章 夫婦の在り方

「約束したのに本当にごめんな。支えあっていこうなんて言って、俺ばっか支えられてたな。花が終わりにしようって言ったとき、倒れた時は頭が真っ白になったよ。俺には花が必要で、花じゃないとダメなんだって、改めて気づかされたよ」

 翔ちゃんの優しい微笑み。大きな手。

「大丈夫だよ。間違えたらやり直せばいいんだよ。悪かったらごめんねって言えばいいんだよ。……ってちょっと、なんで笑うのよお~」

「ごめんごめん。花の笑顔、ちゃんと見たの久しぶりだなって」

「あっ……」

 やっぱり翔ちゃんには敵わないな。私の作り笑いは意味なかったのか。

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