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アクアリウムに恋をして

第1章 アクアリウムに恋をして

 少女はアルビノ出目金も好きなようで、そんな変わった金魚の水槽を行ったり来たりしながら、見て、笑って、写真を撮ることをいつも繰り返す。

 だからと言って、普通の金魚が嫌いなわけではない。家の金魚鉢で飼っているのは、ショートテール琉金と黒琉金だ。

 少女はいつも一人で、笑顔だ。けれど、この日はいつもと違った。

 悲しそうな顔。いつもよりも俯き気味で、いつもと違って、どの水槽も同じくらいにじっくりと見ていた。

 このアクアリウムとのお別れだと思うと寂しいのだ。

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