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アクアリウムに恋をして

第1章 アクアリウムに恋をして

 閉店一時間前。外は見えないが、もう日も落ちている時間。

「金魚好きなんか?」

「えっ?」

 少女は後ろから聞こえた声に慌てて振り返る。

 少女の目に映ったのは、茶髪にトレーナーにジーンズの二十代後半くらいであろう男性の姿。

「いつも来てくれてるやろ? 俺、ここの警備員してて、今日はたまたま休みで、最後やから観客として見に来てん」

「あ、はい」

 慣れた大阪弁の男性に少し引き気味の少女。

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