キョウダイ
第18章 育ての親
考えなければいけない事がたくさんあるのに。
お父さん、お母さんの事。
柊斗、海斗の事。
明の事。
悠ちゃんの事。
悠ちゃんが好きな真理ちゃんの事。
亡くなったパパとママ。
奏ちゃんの事。
みんな大事なのに。
みんな幸せになれない。
海斗と柊斗が良く喧嘩するようになったのはあたしのせい?
明がおかしくなったのもあたしのせい?
お父さんとお母さんが離婚しちゃったのはあたしのせい?
パパとママと奏ちゃんが死んだのはあたしのせい?
あたしだけ生きちゃっているから?
誰も幸せになれない。
どうしたらいいのか分からない。
悠ちゃんの言うように、ずっと悠ちゃんの傍で大事にされて過ごして行けば、誰もこれ以上は傷つかない?
だけど真理ちゃんは?
誰かを選べば誰かが傷付く。
誰も選びたくない。
ずっとキョウダイのままでいたかったのに。
心が弱いあたしは優しい悠ちゃんの腕の中で身を委ねてしまう。
そうしてまた罪を増やして自分を責めて行く。
それが分かってるのに。
もう、何も考えたくない……。
優しくキスをされながら倒れるように二人でベッドに沈み込んだ……。