キョウダイ
第21章 残りの人生
「体調の方はどうかな?」
目が覚めたら、あたしは明の家のベッドに寝かされていた。
見覚えのある、客室。
記憶に残るパパの面影のある、明のお父さんが、あたしを見下ろしていた。
「あたし………どうしてここに?」
明のお父さんの説明によれば、あたしはあれから、高熱を出して何日か寝込んでいたらしい。
それと、同時に明も、無理が祟って、周防の親戚である病院に入院になり、絶対安静にしてるらしい。
あたしの両親と話合った結果、あたしは明の家に当面お世話になる事となり、明もそれを望んでいるということだった。
「本当はもっと早くに、君を引き取るべきだったのに、すまなかったね」
柊斗と海斗は何度かあたしの様子を見に来てくれたみたい。
だけど、悠ちゃんは…………。
「当分、君に会わせないように、大学の寮に入ってもらったよ、本人も君に会わせる顔がないと、了承している」
「そうですか……」
これで、本当に、あたし達キョウダイは、バラバラになったんだ……。
「学校にも連絡している、暫く落ち着くまで、ゆっくり過ごせばいい」
「あの、明は、どんな容態なんですか?」
「………今は落ち着いて、快復に向かっているよ、手術する話もでているんだけどね、その話は明から聞いたほうがいいだろう」
溜め息をつく、明のお父さんは何だか、疲れて見えた。