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キョウダイ

第1章 幼馴染み


バンッ!

勢い良くあたしの部屋のドアを開けて。

海斗がズカズカとあたしを引っ張って入る。

がちゃり。

部屋の鍵を締める。



「海斗?」



眉をひそめて、首を傾げる。

どうして、鍵を?

ズカズカとあたしの部屋のベッドに近付き、グイッとまるで投げるようにあたしの腕を引っ張って離す。

勢いついたあたしの体はベッドの上に思いきりダイビングする。

ぼすんっ!

「海斗っ、いーかげんにしてよっ」

さすがのあたしも頭に来て、すぐに身をおこそうと、したんだ。

だけど、そんなあたしの体の上に、がばりと、いきなり覆い被さってきた。

海斗の体があたしの真上に乗っかっている。

膝を立てて体重はかからないようにしてるけど。

どうゆうつもり?



「お前、明と付き合うのか?」



あたしのすぐ真上で海斗の薄茶色の瞳が揺れる。

茶色い髪があたしの頬にかかる。

ジャンプーの香りがする。


「う、うん」


歯切れ悪く答える。

誤魔化すように、あの場を丸くおさめるために言っただけなんだけど、ひくにひけないし。

でも、なんとなく目を逸らす。

「ちゃんと俺の目を見ろよ。テキトーに付き合うとか言ってんじゃねえよ」

ぎらりと光る瞳があたしの体をすくませる。

「うるさいなっ、いいじゃん別にっ!」

「あんな奴と付き合ったら、キスだけじゃすまねえぞ?お前それ分かってんの?」

別に付き合ったりしないし。

明だし。

たぶん、そうなるだろうから。

明日会ったら、あれはなしよ、とか、ちゃんと言って……。

頭の中がごちゃごちゃする。

てゆうか。

この状況はなんなの?



「お前もよりによって明とか、なんのために俺たちが今までお前を守って……」

キョウダイが邪魔する。

牽制とか。

明が言ってたね。

成る程。

お前かいっ。



「あんな奴に取られるくらいなら……、いっそのこと……!」



「はあっ!?」




あたしを見つめる海斗の視線が、恐いくらいにぎらついた光を放った。

仕留めるようにあたしを真っ直ぐみすえ、その眼光に動けなくなる。

昔から、目付き悪いけど。

こんな。

頭の中で警鐘が鳴る。





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