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キョウダイ

第7章 学校でのキョウダイ






「なんでわざわざお前が家に来るんだよ!」



台所まで海斗の怒鳴り声が聞こえた。



いつもの学校に行く時間よりは、少し早い。



どうしたんだろ?



首を傾げながら、あたしも玄関に行く。






「おはよう、葵ちゃん」




そこにいたのは。



幼馴染みの、周防 明。



相変わらずのイケメンぶり。



あたしと目が合うと右手を上げて明るく挨拶をする。



眩しい笑顔。



腹が立つほどのね。



「なんでわざわざ?」




首を傾げる。



だって、明の家はあたしの家から二軒先だ。



だいたい同じ時間にいつも合流して、一緒に学校に行くのに。



「葵ちゃんからラインの返事がなかったから、彼女の機嫌を取りに迎えに来たんだ」



彼女?



ああ、そんな話をしてたっけ?



「彼女だぁ?ふざけんなよお前」



案の定いきり立つ海斗。



ぎらりと明を睨みつけてる。



「あれ?海斗くん、腕を怪我したの?」



海斗の腕の三角斤を見つける。



ますます不機嫌そうな、仏頂面。



鋭い瞳で明を睨みつけてるけど。

そんな表情でも、綺麗な顔立ちは損なう事もなく、むしろ格好いいと思った。


うん、海斗は格好いい。



自慢のおにいちゃん。



だった、のに……。



もう兄として見れてない自分がいた。



あの瞳。



あの唇が。



広くて逞しい胸。



広い背中。



すぐ傍に感じる息づかい。



その全てに、男の人だという魅力を感じる。



やっぱり、あたし。



えっちなのかな?



海斗の首もとや、喉仏にさえ、目が離せない。



首から下げている、真っ白な三角斤。



それすらも、変な色気を感じてる。



抱かれたから?



あの淫らな行為が、あたしをおかしくさせたの?



分からない。



だってあんなこと。



はじめてだったし。



分からないよ、こんな気持ち。

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