キョウダイ
第13章 朝まで抱かれて。
お風呂から出て、服を着せてもらえなかった。
バスタオル1枚に、お互い身をつつみ、2階の柊斗の部屋にお姫様抱っこで運ばれる。
お互い体が火照って真っ赤だった。
ベッドの上に優しく下ろされて、あたしの体の上に覆いかぶさる。
「ちょっと待って柊ちゃん……」
ひやりとしたシーツの上で抗議の声をあげる。
あたしのバスタオルを払いのけてる、柊ちゃん。
まさか、また?
さっきもバスルームでお互い1回はいったはず。
しかも隣の部屋には、海斗がいる……。
まるで入れ替わりのように柊ちゃんが帰って来て、そのままなしくずしになっちゃったけど。
海斗、分かってるだろうな……。
静かだけど、隣の部屋にいるような気がする。
あたしは、なにやってるんだろう……。
急に恥ずかしくなる。
自分がとんでもない事をしてる気がする。
「言ったよね?おしおきだって?……隣の部屋の海斗にもね?こらしめてあげないと。一晩中俺に抱かれてる葵ちゃんの声を聞かせてあげないとね?」
柊ちゃんの目がぎらついて、怖いと思った。
やっぱり……怒ってる?
「柊ちゃん……、ごめん……」
「……!謝らないでよ」
また、キスされる。
激しく舌をからめられる。
柊ちゃんの舌があたしの舌を追いかけ、舌の裏側、唇の裏側を刺激する。
ぐぐっと深いキス。
「んんっ……!んっ……!」
こんなキス、はじめて……。
頭の中がぼうっとなる。
唇を離して、うっとりと柊ちゃんを見つめる。
「その顔エロい……」
ぎゅっと抱きしめられる。
お互い背中に手を回して、滑らかな肌ざわりを確かめるように、背中に回した手をすりすりしてしまう。
お互いの体温、安心する広い胸の中で、また、狂わされる。
嵐のような、キス。
激しい愛撫。
快感を引き出す指使い。
終わりのないセックス。
泣き叫ぶあたし。