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キョウダイ

第14章 陽だまりの優しさ






家に帰ったらお母さんがいて、晩御飯の用意をしてくれていた。



今まで忙しくて会社に泊まり込みもあったけど、これからは家に帰れると言っていた。



微妙な雰囲気の中でみんなで晩御飯を食べた。



柊ちゃんと海斗はお互いそっぽを向き合ってるし。



お母さんはあたしに辺に気を使ってくれてるし。




なんだか気疲れした。







その日はなかなか眠れなかった。









「よしっ、出来たっ」




弁当箱の蓋をする。




4つの弁当箱をハンカチで包む。




今日から通常通りの学校だ。




試験も終わり、午後も授業があるし、部活にも参加する。



海斗も部活の朝練があるし、あたしも部活に励むし、柊ちゃんもバイトに励むだろうし。



大丈夫だ。




もう、何も起こらない。




今まで通りのキョウダイになれるかなぁ?








お昼休みに一緒に弁当を食べようと明と朝に約束された。



場所は中庭だ。



わりと広いスペースだし、ベンチもあるし。



ただ、場所が目立つ。




校舎に囲まれた場所。



イチャイチャしたいカップルは、行かない場所だけど、ある意味安全だ。



お弁当を持って明の傍に行く。




まわりに女の子二人いてなんか話をしているけど……。



「葵ちゃん?……ごめんね、彼女が来たから、またね?」



優しくその二人の女の子を追い出すように言ってる。


三年の先輩、二人とも見覚えある。



「あっ、葵ちゃんだぁ、またねぇ、仲良くねぇ?」



好意的に手を振られる。




「はぁい、また?」



手を振り返してから、首をかしげる。




その二人の先輩が別のグループに入って行く。



あたしたちから少し離れた場所に5、6人くらいが固まってお弁当を食べている。



1年2年3年生とバラバラなんだけど、圧倒的に女の子が多いい。



見覚えある顔が何人かいるその中に、柊ちゃんがいた。



楽しそうに笑ってる。




別にあの性格だし、友達が多いいって知ってるし。




「葵ちゃん?食べてもいい?」



昨日わざわざラインで中庭で葵ちゃんの弁当が食べたいって、はいってた。



明の事だ。



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