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イケメン戦国【徳川家康】うつつ夜(短編完結)

第1章 (短編完結)うつつ夜

襦袢1枚かけた涼莉が、俺の隣で、まだ乱れた呼吸を繰り返している。

放ったはずの俺の熱も、涼莉からもらった熱も、まだ冷め切らない。


涼莉の髪にそっと手を掻き入れて、おでこに口づけては、涼莉の顔を眺める。

こんな時間が、永遠に続けばいいのに。
この乱世の中では、明日をも知れないけど、そう願わずにはいられない。


「家康?」

「何?」

「……大好き。」

そう言って、涼莉は俺の胸へ顔をうずめる。


「大好き」か…。
俺はその何倍も、何十倍も愛してる。
何があっても、手放したくないくらい、あんたが、涼莉が、愛おしくて堪らない。
それは、生涯変わらない。


「寒くない?風邪ひくよ。」

手近にあった俺の羽織を涼莉に掛ける。


「……んー、風邪ひいたら家康が薬作ってくれる?」

「だめ。」

「家康のいじわる!」


むくれた顔で俺を見上げる涼莉が、可愛いらしくて、笑みがこぼれる。


「嘘。でも風邪はひかせない。」

「もうっ!天邪鬼だなぁ。」


ほころんだ笑顔の涼莉が可愛くて、眩しくて、愛しくて、涼莉の隙をつき、軽く唇を重ねる。

今まで、こんなにも眩しくて、愛おしい物事なんかなかった。涼莉と出会うまでは。


「あんたは隙がありすぎ。」


そう微笑んだ俺の唇に、涼莉が唇をかすめーーー。

「ふふっ!」


涼莉、あんたのその笑顔は反則だ。
俺が生涯をかけて、守り抜きたい笑顔。
命をかけても、守り通したい笑顔。

それを見たら、俺は隙だらけだよ。

だって俺は、あんたに夢中なんだからーーー。


▶ 完 ◀
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