セツナ桜
第1章 セツナ桜
ビルが立ち並ぶ都会の町が小さく遠くなっていく。飛行機の小さな窓から見える景色。私が今住んでいる東京に旅立ったあの日は、この小さな窓から真っ白に染まった雪の町が遠ざかった。不安を抱き、だけど胸を高鳴らせていた。
東京に来て、九ヶ月の月日が経つ。大学では友達が出来た。夏は海の家のバイトに大忙しで、連休を取ることが出来なくて、地元、北海道に帰ることができなかった。だからこそ、こうして冬休みに帰ることができるのが嬉しいのだ。やっと会える、彼に会える。そう思うと胸がわくわくして、今にも叫び出しそうになる。
だけど、気持ちとは裏腹に朝一番の便だったので、眠ってしまった。「まもなく着陸」のアナウンスで目が覚めた頃には、眼下に一面の銀世界が広がっていた。そこから「新千歳空港」に降り立つまでは、時間がかからなかった。
東京に来て、九ヶ月の月日が経つ。大学では友達が出来た。夏は海の家のバイトに大忙しで、連休を取ることが出来なくて、地元、北海道に帰ることができなかった。だからこそ、こうして冬休みに帰ることができるのが嬉しいのだ。やっと会える、彼に会える。そう思うと胸がわくわくして、今にも叫び出しそうになる。
だけど、気持ちとは裏腹に朝一番の便だったので、眠ってしまった。「まもなく着陸」のアナウンスで目が覚めた頃には、眼下に一面の銀世界が広がっていた。そこから「新千歳空港」に降り立つまでは、時間がかからなかった。