
Everlasting Love
第54章 初恋
聖輝「ちょっと本屋さん寄ってみようかな…」
帰り道、僕はふと家の近所の本屋さんに立ち寄った。
聖輝「受験まで1年もないんだよな…」
何かいい参考書見つけないと…
「うーん……」
聖輝「あれ…?」
受験コーナーのところに見慣れた女子生徒がいた。
愛純「どれがいいのかな…」
聖輝「……。」
何故だろう…
クラスメイトに会っても普通に話しかけられる僕なのに…
何故か足が前に進まない。
愛純「…あっ……」
聖輝「あっ…!」
目が合ってしまった。
聖輝「こっこんにちは…」
愛純「こんにちは。」
これが彼女との初めての会話だった。
愛純「あの…同じクラスの…」
聖輝「あっはっはい!涼野聖輝です!」
愛純「そうだ、涼野くんだ。席近いのにパッと名前が出てこなかった…」
聖輝「いやいや、転校してきたばっかりだし、仕方ないよ。」
愛純「涼野くんも何か参考書買いにきたの?」
聖輝「うっうん、何かあるかなって…」
愛純「やっぱり気になるよね…受験…」
聖輝「うん…」
愛純「涼野くんは志望校決めてるの?」
聖輝「僕?えっとね…星陵高校に行きたいなって思ってて…」
愛純「星陵高校?」
聖輝「うん、学区内で2番目に賢いところ。」
愛純「へぇ〜、涼野くん頭いいんだ。」
聖輝「そっそんなことないよ!勉強は好きだけど…」
愛純「ふふっ、そっか。」
聖輝「あの…永島さんは…?」
愛純「うーん…私は引っ越ししてきたばっかりだからどこの高校がいいのかまだ分からないかな…」
聖輝「そっか…」
愛純「…あっ、そろそろ帰らないと…」
聖輝「ごっごめんね、急に話しかけちゃって…」
愛純「ううん、涼野くんと話せて楽しかったよ。じゃあまた学校でね。」
聖輝「うっうん、ばいばい!」
本屋を出ると、僕は永島さんと別れた。
聖輝「……。」
すごく楽しかった。
他愛のない会話だったけど…
他の女の子としゃべっている時よりも…
すごく楽しかった。
聖輝「…何だろう…この気持ち……」
僕は気になりつつ、家に帰った。
