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Everlasting Love

第15章 急接近



聖輝「ハァ…ハァ…まっ間に合った…」

次に来る電車に乗れば…!!

ガシッ


聖輝「えっ?」


「ママ…どこ…?」


聖輝「えっ?!」


「ママァーどこー!!」

どうしよう…!!この子迷子だ…

聖輝「えっえっと…ママとはぐれちゃったの?」


「うわあぁーんっ!!」


聖輝「わわっ!ごめんね!泣かないで!一緒にママ探そう?ねっ?」


「ぐすん…うん…」


聖輝「えっと…お名前は?」


「かじゅ…き…」


聖輝「えっと…かずきくんだね?じゃあママ探そっか。」


「う…ん…」


僕はかずきくんを抱っこして一緒にお母さんを探した。




「本当にありがとうございました!」


聖輝「いえいえ!かずきくん。もうママの手離しちゃダメだよ?」


「うん!お兄ちゃんありがとう!」


「あの…何かお礼を…」


聖輝「いっいえ!お構いなく!」


「でっでも…」


聖輝「あっあの!僕…急いでるので!すみません!気持ちだけ受け取っておきます!失礼します!」


「お兄ちゃんばいばーい!」


聖輝「ばいばい!かずきくん!」


僕はその場を走って去った。




聖輝「ハァ…ハァ…ハァ…」

今…何時だろう…

聖輝「ハァ…ハァ…ハァ……!!」


時計を見ると、21時半だった。


聖輝「ハァ…ハァ…間に合わなかった…!!」

最悪だ…約束守れなかった…これじゃあもう村上くんとは…

聖輝「うっうぅ…!」

女子高生を無視していれば…かずきくんを無視していれば…間に合ったかもしれない…けど!!

聖輝「…無視することなんて…できないよ…!!」


僕は人混みの中で静かに泣いた。




上野駅を出ると、車は1台も止まっていなかった。


聖輝「……。」

30分も遅刻してるもん…いなくてあたり前だよね…

聖輝「……。」

…帰ろう…

パァーン!!


聖輝「?!」


クラクションの音が鳴り響いた。

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