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Everlasting Love

第30章 仮面



聖輝「よし!出来た!」


櫻井「……。」


聖輝「ごめんね…遅くなっちゃって。食べよ?」


櫻井「……うん…」


聖輝「よし、いただきます。」


櫻井「…いただきます…」


聖輝「ぱくっ…うん!美味しい!一緒に作るとすごく美味しいね!」


櫻井「……うん…」


聖輝「ふふ、ちょっと作りすぎちゃったね。食べきれるかなぁ…」


櫻井「…なん…で…」


聖輝「えっ?」


櫻井「何で…怒らないの…?」


聖輝「翔くん…?」


櫻井「俺…聖輝のこと…すごく干渉して…聖輝に迷惑かけたのに…何で怒らないの…?」


聖輝「…それはね…翔くんのことが…好きだから。」


櫻井「えっ…?!」


聖輝「僕ね、翔くんには元気になってもらいたいし、楽しい時はずっと笑っていてほしいって思ってるの。」


聖輝「僕みたいなのが翔くんの為にできることって…あんまりないけど…でも、少しでも翔くんが元気になってくれるなら…僕…翔くんのわがまま全部聞くよ?」


聖輝「だから…僕…翔くんに呆れたり、怒ったりしないよ?」


櫻井「聖輝…」


聖輝「あっでも…翔くん時々怖い顔してるから…それだけはやめてほしいな…」


櫻井「ごめん…」


聖輝「ううん、僕のことは気にしないで。ゆっくりでいいから…一緒に前に進めるように頑張ろうね。」


櫻井「…うん…」


聖輝「よーし!どっちがたくさん食べれるか競争しよ!よーいドン!」


櫻井「……。」


聖輝「もぐもぐ…おいひぃ…あれ?翔くん…食べにゃいの?」


櫻井「…クス…」


聖輝「?!」


櫻井「…いただきます…」


聖輝「…いただきます!」


一緒に住んで、僕は初めて翔くんが笑った顔を見た。


その顔はとても優しくて…どこか寂しげな感じだった。

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