
Everlasting Love
第7章 START
〜聖輝side〜
事務所に着いてからは、デビュー曲の歌とダンスの最終チェック。
その後はフジテレビに向かって、衣装やヘアメイクのチェックをしていた。
気づけば午後5時を回っていた。
「トップバッターのアーティストさんがお客様を温めてくれます。その流れで、涼野くんが登場という形になります。」
聖輝「トップバッターのアーティストさんって…」
「DASHさんです。」
※DASH=架空のロックバンドです。
聖輝「ダッDASHさんですか?!」
DASHさんって…2011年にデビューしてからものすごく人気のあるロックバンド…その人達の後に僕が歌うんだ…
波野「DASHか…確かに彼らの人気はすごいですからね…そこから流れに乗りたいですね。」
「大丈夫ですよ!この間の記者会見、ものすごく評判いいので!」
聖輝「うわぁ…緊張が…」
波野「涼野くん。思いっきり…楽しもう。」
聖輝「…はい!」
「では、段取りの説明は以上になります。本番、よろしくお願いします!」
聖輝「よろしくお願いします!」
波野「よし、じゃあそろそろ衣装に着替えてヘアメイクしよっか。」
聖輝「はい!あっ、その前に…トイレに行ってきてもいいですか?」
波野「うん、今行ってた方がいいね。」
聖輝「じゃあ…失礼します。」
僕は楽屋を出てトイレに向かった。
聖輝「ふぅ…」
落ち着け…落ち着くんだ…僕…!!
聖輝「あっ…出演するアーティストさんに挨拶回りした方がいいよね…」
僕は手を洗いながらそう呟いた。
波野「おかえり、涼野くん。」
聖輝「ただいまです。…あっ、波野さん!」
波野「んっ?どうしたの?」
聖輝「あの…出演するアーティストさんに挨拶回りした方がいいですよね…?」
波野「あぁ…そうだね。でも…さすがに全組挨拶回りする時間はないから…番組の前半に登場するアーティストさんだけ挨拶回り行こっか。」
聖輝「はっはい!」
波野「挨拶回りする前に、衣装とヘアメイク、しよっか。」
聖輝「はい!」
僕は衣装に着替えて、ヘアメイクを済ませると、出演するアーティストさんの楽屋に挨拶回りに行った。
しかし、どの楽屋にも同じ事務所の先輩はいなかった。
