声の魔法3
第3章 あなたの温もり
聡はリビングのソファーに座り、めぐみの肩を抱きながら
「どうした?何かあった?」
と声をかけた。
俯いたままめぐみが小さな声で
「今日聡に電話したら女の子が出て…迷惑だって……駅でも……」
涙が溢れてくる。
駅?朱里とのこと見られてた?
「ごめん。」
「なんで謝るの?」
「ごめん。誤解だから。同期の女の子に告白されて抱きつかれた。ちゃんと断ったから。俺にはめぐみがいる。めぐみじゃないとダメなんだ。」
「……」
「好きだよ。」
あの優しい声で囁いた。
「不安だっ…たの… 会えなかったから…… 」
泣きながら話すめぐみを聡は優しく抱き寄せた。