箱……録
第3章 宝箱の鍵
リビングに戻ると――――…
ベランダでシーツを干している後藤を見かける―――…
懐かしい……
柔らかな仕草に――――…
微笑んでしまう―――――…
「―――…お母さんって…
こんな感じなのかな?
サッちゃん……いいママになれそうだよね」
髪をバスタオルで拭きながら…
後藤を見つめる…
「――――…私は、ママにはなれないですよ…
女の子が好きな……レズビアンですよ?
それに――――――…」
「―――…そ、そうなんだ…」
“レズビアン”
気がついていたが…
サラリとカミングアウトされてしまい…
どう、答えるべきか…
悩んでしまう―――――…
「あっ…モッちゃん…ゴメン…変な空気にして―――…」
「ううん―――…
そう、私…思い出したことがあって――――――…」
洗濯を終えた後藤は、興味津々にベランダから中に入ってきた――――――…
私は、二人の宝箱の事を話し!
鍵があったことを伝える!!