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Sinful thread

第4章 追想



日が経つにつれ、段々と希美と暮らす日も近付き、現実味を帯びてくる。


会う度に、少しずつ自分が希美に惹かれているのもわかる。

俺と話す度に顔を赤らめる希美を見ていると、もしかして希美も……?と期待までしてしまう。



男だから、ダメだとわかってはいても多少……というか結構、ヨコシマな気持ちもある。

……これ、ヤバい……よな?
こんな状態で一緒に住んだら、どうなるかわかんねぇ……。


そう危機感を感じ始めた頃だった。


『葵くん……わたし、葵くんのことが好きなの……』


同期で同じ部署の逢坂 芽依に、告白された。

小柄で童顔で、どこかふわふわした女。
危なっかしくて、面倒を見てやることも多かった。


『わたしと……付き合って欲しい……』


意外だった。
けど、芽依と付き合えば、俺は希美への想いを断ち切ることができるかもしれない。

今まで、芽依のいいところも沢山見てきた。
……俺だって、芽依のことを好きになれるはずだ。


『……いいよ。付き合おう』


そんななんの根拠もない考えから、俺は芽依の告白を受け入れた。


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