
Sinful thread
第6章 色情
「ちょっとお前、ペース速すぎ。そろそろやめとけ」
それから何度も追加で注文する芽依を見て、流石に俺は芽依を止めに入った。
「飲みすぎなんだよ。
ボトル下ろした方が安かっただろ……」
「んーー、ごめんね。葵くん」
ついケチ臭い言葉が出るが、芽依はまったく気にしていないようだ。
なんか、軽く目が座ってるし、完全に酔ってるな……。
芽依が潰れたら困るし、俺は控えめにしねぇと。
そう思って、目の前のピザに手を付けようとした時。
「……あのね、葵くん。話があるの」
「……なに?」
芽依が急に真剣な顔になった。
胸騒ぎがして、思わず、ピザを掴もうとした手が固まってしまった。
「……葵くんは、どうして……」
「……ん?」
「わたしに……手を出してくれないの?」
胸がドクンと音を立てたのを感じた。
「……えっ」
「わたしたち、付き合って結構経つのに、手すら繋いでくれないし。最近会社以外で会ってもくれない。
……だから、不安なの」
今にも泣きそうな顔をして、芽依が俯いた。
……もしかして、芽依がすごいペースで飲んでたのは、これを言う為だったのか?
