
Sinful thread
第6章 色情
「芽依、ちょっと待って。店出よう」
流石に他の客がいる前で、こんな話をするわけにはいかない。
「やだっ。まだ帰りたくない」
「帰らねぇよ。他の場所で話そう」
とりあえず水を頼んで、会計を済ませると、駄々を捏ねる子どものような芽依をなんとか丸め込んで、店の外に連れ出した。
芽依の飲んだ量を見てれば納得だけど、案の定足取りはフラついている。
……つーか、こんな状態で帰す方がどうかしてるだろ。
それに、芽依がこんなになるまで酔い潰れた原因は、俺自身にあるわけだし。
適当にタクシーを拾うと、芽依を支えながら一緒に乗り込んだ。
運転手に行き先を告げると、15分程で俺のマンションに着いた。
「……ほら、芽依。しっかりしろ」
俺に体を預けるようにしてフラフラと歩く芽依が、危なっかしくてハラハラする。
俺は一旦リビングに芽依を通すと、コンビニでお茶やジュースを適当に買って、部屋へ戻った。
