
Sinful thread
第6章 色情
「とりあえず落ち着いて、これでも飲め」
買ってきたお茶の蓋を開け、ソファに凭れて座っている芽依に手渡す。
「……ありがと」
それを力なく受け取ると、芽依はお茶を二口ほど飲み込んだ。
「今日は、希美ちゃんはいないの?」
「あぁ、今は親父たちの家にいる」
「……そっか」
芽依はそう言うと安堵したように笑みを浮かべた。
「……変なこと言ってごめんね、葵くん。もう落ち着いたから」
「けど、さっきのは本音だろ」
そう言って、芽依の隣に腰を下ろした。
いくら酔っていたとしても、さっきのが勢いだけで放たれた言葉とは到底思えない。
「今まで、二人きりでこんな話す時間もなかったし、言って。ちゃんと聞いてるから」
お茶のペットボトルを両手で握りしめたまま、芽依はこくんと小さく頷いた。
