
Sinful thread
第6章 色情
……ペットボトルを握る両手が、震えているのがわかる。
この気持ちを俺に告げるのに、どのくらいの大きな勇気が必要だったんだろうか。
潰れる程にまで酒を飲んで、店で子どものように駄々を捏ねていた芽依と同じとは思えないくらい、今の芽依は小さく見える。
「……芽依、ごめん」
……俺が、中途半端な気持ちで付き合って。
芽依の気持ちを少しもわかってやれてなくて……。
「そんなこと言わせてごめんな」
……もう、わかっただろ。
体を重ねた翌日に突然いなくなって、親父たちの家に行ったまま戻ってこない希美。
やっぱり全部、間違いだったんだ。
きっと期待なんか、しない方がいい……。
……もういい加減、本気で俺を想ってくれる芽依と、俺も本気で向き合うべきだ。
