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『さちこ』

第2章 時の魔女

「まぁ、いい。鏡の魔法の話だったな。鏡はなんでもいい。鏡に向かって微笑むんだ、そして叶えたい望みを宣言しろ。毎日続けるんだ。例えば、若さを取り戻したいなら鏡に向かって『私は若い』と毎日唱えろ。だんだん本来の55歳に近付いていく。『私は健康』『私はキレイ』…なんでも叶う。ただ、ルールだけは守れ」

「…ルール…」

「忘れるな。常に“今を生きる”んだ。そうすれば鏡の魔法は発動する」

それだけ告げると、サチコはまた眩しいほどの光に包まれていった。

光が消えた時、サチコの姿はもう無かった。

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