テキストサイズ

『さちこ』

第1章 島谷病院

「あした死ぬように生きなさい」

「…な、なんじゃいきなり?」

「昔、私がまだ若かった頃に…本か何かで見つけた言葉です。…誰の言葉かは知りませんけど」

「物騒な言葉じゃな。ワシは明日死ぬなんて嫌じゃ…」

「お義姉さん、この言葉にはまだ続きがあるんですよ」

「つづき?」

「えぇ。明日死ぬように生きなさい、そして、永遠に生きるように学びなさい」

「…意味がわからんの…」

祥子が考えこむように顔をしかめた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ