『さちこ』
第1章 島谷病院
「お義姉さん、もし、明日お義姉さんが死ぬとしたら、今日、何をしたいですか?」
「ワシは死ぬのは怖い。死ぬのは嫌じゃ…」
「お義姉さん、絶対に死なない人間なんてこの世にはいないんですよ!死にたいか死にたくないかじゃなくて、いつかは必ず死ぬんです、みんな」
「でも…明日死ぬのは嫌じゃ…」
「どうしてです?」
「どうしてって…」
そこで祥子が言い淀む。
「まだ、やりたいことがあるんじゃないですか?だから、明日死ぬのが嫌なんでしょう?だったら…だったらそのやりたいことを今日中にやるんですよ!」
祥子が不思議そうな顔で佐知子を見つめている。
「明日死にたくないのは、まだやり残してることがあるからです。だから、悔いが残らないように、やりたいことは今日中にやるんです。明日にしない。先伸ばしにしない」
祥子は黙ったままだ。
「明日死ぬように生きなさい、という言葉は私はそういう意味だと思ってます。まぁ、私流の解釈ですけど。やりたいことを“明日やろう”と先伸ばしにしない。明日があると思わず、毎日、今この時を全力で生ききるんです」
「ワシは死ぬのは怖い。死ぬのは嫌じゃ…」
「お義姉さん、絶対に死なない人間なんてこの世にはいないんですよ!死にたいか死にたくないかじゃなくて、いつかは必ず死ぬんです、みんな」
「でも…明日死ぬのは嫌じゃ…」
「どうしてです?」
「どうしてって…」
そこで祥子が言い淀む。
「まだ、やりたいことがあるんじゃないですか?だから、明日死ぬのが嫌なんでしょう?だったら…だったらそのやりたいことを今日中にやるんですよ!」
祥子が不思議そうな顔で佐知子を見つめている。
「明日死にたくないのは、まだやり残してることがあるからです。だから、悔いが残らないように、やりたいことは今日中にやるんです。明日にしない。先伸ばしにしない」
祥子は黙ったままだ。
「明日死ぬように生きなさい、という言葉は私はそういう意味だと思ってます。まぁ、私流の解釈ですけど。やりたいことを“明日やろう”と先伸ばしにしない。明日があると思わず、毎日、今この時を全力で生ききるんです」