刑事とBG
第1章 刑事とBG~前編~
「なんだって…!?」
祐司たちは窓の外を見た。
さっきまでは晴れていたのに、いつの間にか大雨が降っている。
「道が塞がってしまっては仕方ありませんね…
今日はこちらで一泊するしかないでしょう」
窓の外を見つめながら、圭吾が言った。
「部屋はありますので、皆様ご自由にお使いください。夕食の準備してきますね」
メイドは頭を下げて部屋を出て行った。
「死体と一晩過ごすのかよ…」
護は眉間にシワを寄せた。
それに気づき、ゆうひは急に不安になった。
『ど、どうしよぅ斉藤…また、ゆ、幽霊出たら…あたし…怖いよぉ』
「心配すんな。俺がそばにいっから」
余計なこと言うんじゃねぇよ、と斉藤は護を睨んだ。
「護、お客様を不安にさせてどうする」
圭吾も護を叱る。
シュン…となる護。
ボディーガードはどんな時も冷静でいなければいけない、お客様を不安にさせてはいけないのだ。
「んじゃあ、ひとまず休憩すっか」
斉藤は背伸びをした。
「行くぞ、ゆうひ」
斉藤はゆうひを連れて部屋を出て行った。
「俺たちはまだ任務中だ。屋敷内の警備を続けてくれ」
祐司と護は頷いた。