刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
屋敷の外へ出ると、圭吾は斉藤に話しかけた。
「犯人はおそらく…聡でしょう」
「なんでんなことわかんだよ」
「昨夜、沙也加に聞きました。聡には何億という借金があるそうです。
そのために、団蔵に女を紹介してた…遺産を独り占めするために。
だけどおそらくトラブルがあったんでしょう…」
「それで殺したってか…」
圭吾は頷いた。
「…たく、いつの間に、んなこと調べたんだよ」
「沙也加を口説きました」
圭吾は微笑した。
すると独特の羽音と共に、一機のヘリコプターがゆっくり近づいてきた。
プロペラが作る気流で土煙が発生する。
周りにその土煙を巻き上げつつ、ヘリコプターは着陸した。
「せんぱ~い!!」
ヘリコプターからは数人の検察官と一緒にシゲが下りてきた。
「シゲ、ご苦労さん」
「いえいえ、先輩に呼ばれたならばたとえ火の中水の中…!!」
「へーぇ、火の中?」
「あ、ちょっと言い過ぎました」
斉藤とシゲが喋っているところへ、圭吾が入ってきた。
「捜査、ご苦労様です」
「あ、いえ…失礼ですが、あなたは…?」
「こいつは今回のパーティーで雇われたボディーガードだ」
圭吾が自分から名乗る前に、斉藤が言った。
「ええ、とりあえず中に入りましょう」
圭吾は微笑すると、屋敷内に入って行った。
「…」
「どうした、シゲ?」
「え?あ…
あの人、どっかで見たことあるような…」
「あのメガネか?
気のせいだろ」
シゲは首を傾げながら、斉藤と共に屋敷へ足を進めた。