刑事とBG
第2章 刑事とBG~後編~
斉藤とシゲは団蔵の遺体が置いてある部屋に入った。
「…」
団蔵の遺体の前で、シゲは手を合わせた。
「誕生パーティーで殺されるだなんて…災難っすね」
「まぁな、さてと…」
斉藤は遺体の前にしゃがんだ。
「シゲ、鑑識に回して、毒物の成分やらなんやらとをやっといてくれ」
「ずいぶん適当っすね」
「オレは他のことで忙しいんでね」
その場はシゲに任せ、斉藤はある場所へ向かった。
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「いたいた、原黒…聡さん?」
「え…はい?」
聡はグラスにワインを注いでいた手を止めた。
ボトルをテーブルに置くと、体を斉藤の方へ向ける。
「刑事さん…なんでしょうか?」
「ちょっとお話がー…
あるんですが」
「事情聴取なら、もう済んだじゃありませんか」
「まぁそうおっしゃらずに。
どうっすか?
2階の部屋でも結構ですが、この場ででもいいっすよ?」
「…なら、この場で…
ワインが飲みたいので…」
注ぎかけのグラスにもう少しワインを足すと、一口飲んだ。
「刑事さんもどうですか?」
「いやオレは…
朝からは飲まねぇんす」
「そうですか…」
聡はもう一口、口に含んだ。