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イケメン戦国【猿飛佐助】きみにごほうびを

第1章 きみにごほうびを

佐助くんが借りてきた車で、遊園地や繁華街でのショッピングを楽しみ、陽も沈みかけた頃、夜景の見えるレストランへと足を向けた。

「佐助くんって……」

「何?」

「研究室にこもってばかりなんだと思ってたけど、お洒落なお店も知ってるんだね?」

「俺だって、戦国時代へタイムスリップする前は、忍者でもなかったし、普通の現代人だったよ。」

苦笑しながら、佐助くんが答える。


「あ、佐助くんはワインとシャンパンどっちがいい?戦国時代じゃ飲めないから。」

「俺は運転手だからウーロン茶で。涼莉さんは好きなものを飲んで。」

「じゃあ、このシャンパン飲んでいいかな?」



2人でメニューを見ながら、あれこれと食べ物を選ぶと、佐助くんがそれをスマートに注文する。

「何か以外!」

「忍者は常に冷静さが大切なんだ。」

場所と発言が、あまりにも似つかわしくなくて、思わず笑いが漏れる。


「さあ、乾杯しよう。『現代ライフに乾杯!』」

私は、笑いながらグラスを傾け、佐助くんと乾杯する。



「今日は君がたくさん笑ってくれて良かった。」

「え?」

「彼と離れ離れになって、毎日つらい想いをしてると思ったから。」

「だから誘ってくれたの?」


レストランの窓から見える景色は、戦も何もない、ただ平和な現代の光だけを放っている。

その光を受けながら、佐助くんが言ったーーー。



「強く素敵な君へ、俺からのプレゼント。」


照れたようにそう言う佐助くんの横顔は、ライトアップされた夜景のように、少し赤くなっているように見えた。



▶ 完 ◀


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