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しなやかな美獣たち

第1章 ♠:Vivid Colors 【学園・NL】


僕達はじゃれ合いながら、またキスをする。

「ねぇ?何でヅラ被ってんの?」

僕はふと疑問に思った事を口にした。

別にこのままでも十分綺麗だし、いいんじゃないかと思ったからだ。

「あ~…。やぱお酒出すところに高校生が遅くまで出入りしてちゃ不味いんじゃないの?ってリーダーの判断で、ヅラとメイクしてる」

「そうなんだ…」

そう言う訳であれば、納得もいく。

僕が頷いていると、先輩は不安そうな顔をして、僕の顔を覗き込んで訊いてくる。

「あっちの方がいい?」

「いや?どっちも好き❤」

正直、どちらの彼女も捨て難い。

これは僕の本音だ。

最初に魅了されたのは、”ユカ”だったし。

「こっちの方が好きって言え!」

「その言い方じゃ言わないwww」

「くっ!生意気な…」

「そう言う事を言うと…足腰立たなくしちゃうよ?」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいぃぃぃ~…」





僕の”彼女”は、ガールズバンドでギターを弾いている。

ステージの上で鮮やかな色彩を放つ彼女は、僕の腕の中では更に鮮やかに咲き乱れる。

僕はその色を見たくて。

今日も彼女に襲い掛かるのだ。




~Vivid Colors~





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