しなやかな美獣たち
第1章 ♠:Vivid Colors 【学園・NL】
【後日談】
放課後、僕達は屋上で横になり、空を見上げていた。
「ねぇ、先輩?」
「何だね?少年」
「”MAJESTIC”のユカさんて先輩の事なんでしょ?」
「ん~…秘密」
「何でですか?」
「知らない方がキミの身の為だからだよ、少年」
「どう言う意味ですか?」
僕が余りにもしつこく尋ねるものだから、先輩は観念したように重い口を開いた。
「あれ…アタシの兄貴」
「え…」
「双子の兄貴。濃いメイクで分からなかっただろうけど、アレ、男だから」
「ええ~!?」
何て事だ!僕は男と分からず、恋をしてたって事なのか!?
僕が悶々と頭を抱えて悩んでいると、先輩がクスクスと笑って種明かしをする。
「なぁんて…嘘!」
「え…。何でそんな嘘を…!?」
「仕返し♪」
「仕返し?何の?」
「いつもエッチの時、キミの掌で転がされてるみたいで悔しかったから…」
そう言って照れる先輩が可愛い。
「それ、反則」
「え?」
「そう言う可愛い事言うの反則!!」
そう言うと僕は先輩を組み敷いて噛みつくようなキスをする。
「拓こそ反則…。可愛い顔して…メッチャ野獣なんて…」
「あ!今、名前言った♪」
「あ…」
「ねぇ、もう一回言って?」
「ヤダ」
「ケチ!」
「じゃあ、先輩じゃなくて、アタシの事も名前で呼んで?」
「由佳里?」
「ふふ。うん」
「由佳里!大好き❤」
「もう!…本当に拓って狡い…」