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甘酸っぱい果実のその果てに

第3章 居酒屋

 居酒屋に着く。

「とりあえずビールで」

「あ、私も」

 その後、優祐さんが適当に色々な焼き鳥を頼んだ。

「あれ……?」

 私は、テーブルの向こう側に、隣の夫婦を見つけた。旦那さんのあの顔と現場独特の作業着は間違いない。奥さんは、後ろ姿だが、あの子だ。

「オレンジジュースって、美羽はいつまで経ってもコドモやな!」

「うるさいなぁ。妊娠中にお酒、飲んでもええんか? あんたが外で呑みたい言うから許可したってんで?」

「はいはい、すいませんでしたー」

「おいっ。あたしの真似せんといて」

 聞こえる笑い声。やっぱり羨ましい。優祐さんとは両想いだけれど、私にはない未来。

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