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甘酸っぱい果実のその果てに

第3章 居酒屋

「優衣、どうしたの?」

「ううん。お隣さん、見つけて。相変わらず仲いいなぁって思っただけです」

「すごい関西弁だよね。僕、元々が東京だからさ」

「そうですね。私も元々は、全然違いますので」

 私達は、早々に居酒屋を抜けた。と言うか、私が早く帰りたがった。あの幸せな空気とともにしていることが耐えがたかったから。

 その後は、いつも通り。私の家で肌を重ねて、優祐さんは帰って行った。

 不倫という非日常を除いては平凡な日常。ふいの現実が悲しくもなるけれど、こんな幸せな日々がずっと続いていくと、あの時が来るまでは、思っていた――。

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