旅は続くよ
第17章 八つ当たり
N「翔ちゃんは、俺をどうしたいんだよ…っ!」
こんなの…八つ当たりだ
分かってんだよ
それでも情けなく溢れてきた涙と一緒に、気持ちも止まらない
N「分かってたよ、自分が空っぽだって。
分かってたけどさ…!
でも、改めて…何も持ってないって、
こんなに惨めだって…気づきたくなかったよ…っ!」
翔ちゃんが悲しそうに黙って俺を見てる
同情されてんのかな
呆れてんのかな
どっちでも構わない
N「怖いんだよ!そんな大物に会ってさ
俺なんかどうせ笑われて終わりだよ
だって何もねーんだもん!
バカみてーじゃん、そんなのっ」
こんな事叫んだって何もならない
でもこんな事、翔ちゃんにぶつけなきゃ気が済まない
N「…翔ちゃんに出会わなきゃ良かった!
そしたらこんな…惨めになんか…」
S「先延ばしだよ。そんなの」
翔ちゃんの声がキッパリと
でも穏やかに響いた
S「きっと近い将来気づいたよ。
ってか、見て見ぬ振りしてただけだろ?
俺に出会ったかどうかの問題じゃない」
N「………」
S「それに…惨めなんかじゃないよ」
涙でグチョグチョの俺に、翔ちゃんがティッシュを差し出した
受け取らずにいると、目元と鼻をグイグイ拭かれた
N「…痛い」
S「ははっ、悪い」
叫ぶだけ叫んで
涙も拭かれて
N「…ハァァ……」
少し落ち着いた俺の目に映ったのは
優しく笑う翔ちゃんだった
S「ごめんな。怖い思いさせて…」
N「……」
S「でも大丈夫だよ。お前は空っぽでも惨めでもないから」
N「…何も知らないくせに」
S「知らなくても俺にはそう見える。十分輝いてるよ」
そうサラッと言われるとさ…
何だかコッチが照れちゃうよ
でも不思議とさっきまでの怖さは薄らいでく
泣き叫んだのがアホらしくなってくる
S「村尾さんに会おう?な?」
N「……」
S「何なら一緒に行ってやろうか?」
N「…ガキじゃねーし。1人で行ける」
そう答えると翔ちゃんは嬉しそうに笑って
俺の頭をガシガシ撫でた
N「…もうっ。アンタ俺の事、犬か何かだと思ってるでしょ」
S「はははっ、なんで」
N「いつもガシガシ撫でて…」
S「だってお前、可愛いんだもん」
…ったく、翔ちゃんといると調子狂っちゃうよ
それでも悪い気はしなかった
こんなの…八つ当たりだ
分かってんだよ
それでも情けなく溢れてきた涙と一緒に、気持ちも止まらない
N「分かってたよ、自分が空っぽだって。
分かってたけどさ…!
でも、改めて…何も持ってないって、
こんなに惨めだって…気づきたくなかったよ…っ!」
翔ちゃんが悲しそうに黙って俺を見てる
同情されてんのかな
呆れてんのかな
どっちでも構わない
N「怖いんだよ!そんな大物に会ってさ
俺なんかどうせ笑われて終わりだよ
だって何もねーんだもん!
バカみてーじゃん、そんなのっ」
こんな事叫んだって何もならない
でもこんな事、翔ちゃんにぶつけなきゃ気が済まない
N「…翔ちゃんに出会わなきゃ良かった!
そしたらこんな…惨めになんか…」
S「先延ばしだよ。そんなの」
翔ちゃんの声がキッパリと
でも穏やかに響いた
S「きっと近い将来気づいたよ。
ってか、見て見ぬ振りしてただけだろ?
俺に出会ったかどうかの問題じゃない」
N「………」
S「それに…惨めなんかじゃないよ」
涙でグチョグチョの俺に、翔ちゃんがティッシュを差し出した
受け取らずにいると、目元と鼻をグイグイ拭かれた
N「…痛い」
S「ははっ、悪い」
叫ぶだけ叫んで
涙も拭かれて
N「…ハァァ……」
少し落ち着いた俺の目に映ったのは
優しく笑う翔ちゃんだった
S「ごめんな。怖い思いさせて…」
N「……」
S「でも大丈夫だよ。お前は空っぽでも惨めでもないから」
N「…何も知らないくせに」
S「知らなくても俺にはそう見える。十分輝いてるよ」
そうサラッと言われるとさ…
何だかコッチが照れちゃうよ
でも不思議とさっきまでの怖さは薄らいでく
泣き叫んだのがアホらしくなってくる
S「村尾さんに会おう?な?」
N「……」
S「何なら一緒に行ってやろうか?」
N「…ガキじゃねーし。1人で行ける」
そう答えると翔ちゃんは嬉しそうに笑って
俺の頭をガシガシ撫でた
N「…もうっ。アンタ俺の事、犬か何かだと思ってるでしょ」
S「はははっ、なんで」
N「いつもガシガシ撫でて…」
S「だってお前、可愛いんだもん」
…ったく、翔ちゃんといると調子狂っちゃうよ
それでも悪い気はしなかった