旅は続くよ
第18章 村尾さん
…そうだよな
つい疎ましく思っちゃってたけど
心配してくれてんだよな…
それを村尾さんに言うと、声を立てて笑われた
「あはは!まあねぇ、後ろ向きになってる時ってそんなもんですよ。
心配されてても『お節介だ』と思っちゃいますよねぇ」
「なんか…すいません」
「いやいや、謝るこたぁない。
私だって散々そうだったんだから。
いや、今でも家族にはそんな調子ですよ」
…俺、こんなでもいいのかな…
村尾さんは何でも肯定してくれるから、そんな風に思えてくる
こんなグズグズしてる自分でも
急にバリバリと前向きになれなくても
それでもいいのかな…
まるで俺の心を読み取ってるかのように
村尾さんは微笑んでくれた
「まずは、その人に相談してみたらどうでしょう。
ありのままに話してみてもいいと思いますよ。
それとも、今更そんな事できませんか?」
確かに今更そんな事を言うのは恥ずかしい気もする
だから村尾さんはそう言ってくれてるんだろう
でも…
こんな俺をずっと心配して見守ってくれてた人がいる
そこから始めないと義理が立たないよな…
「いえ。まずは自分で言ってみます」
真っ直ぐ答えると、村尾さんは満足気に頷いてくれた
ダメだったら連絡するように、と名刺まで貰って
俺は市役所を後にした
翔ちゃんに会っていこうかと思ったけど
止めておいた
だって…何を言ったらいいか、分からないから
『ありがとう』とか
『村尾さんに会えて良かった』とか
多分それが正解なんだろうけど
今は…言えないんだ
だって
きっと今それを口にしたら泣きそうだから
そんな簡単な言葉にしちゃいけない気がするから
翔ちゃんがしてくれた事は
もっともっと、大きな意味があると思うから…
帰り道の途中で、俺が目が潤んでくるのを必死に耐えている時
相葉さんも泣きそうになってるなんて、知らなかった
つい疎ましく思っちゃってたけど
心配してくれてんだよな…
それを村尾さんに言うと、声を立てて笑われた
「あはは!まあねぇ、後ろ向きになってる時ってそんなもんですよ。
心配されてても『お節介だ』と思っちゃいますよねぇ」
「なんか…すいません」
「いやいや、謝るこたぁない。
私だって散々そうだったんだから。
いや、今でも家族にはそんな調子ですよ」
…俺、こんなでもいいのかな…
村尾さんは何でも肯定してくれるから、そんな風に思えてくる
こんなグズグズしてる自分でも
急にバリバリと前向きになれなくても
それでもいいのかな…
まるで俺の心を読み取ってるかのように
村尾さんは微笑んでくれた
「まずは、その人に相談してみたらどうでしょう。
ありのままに話してみてもいいと思いますよ。
それとも、今更そんな事できませんか?」
確かに今更そんな事を言うのは恥ずかしい気もする
だから村尾さんはそう言ってくれてるんだろう
でも…
こんな俺をずっと心配して見守ってくれてた人がいる
そこから始めないと義理が立たないよな…
「いえ。まずは自分で言ってみます」
真っ直ぐ答えると、村尾さんは満足気に頷いてくれた
ダメだったら連絡するように、と名刺まで貰って
俺は市役所を後にした
翔ちゃんに会っていこうかと思ったけど
止めておいた
だって…何を言ったらいいか、分からないから
『ありがとう』とか
『村尾さんに会えて良かった』とか
多分それが正解なんだろうけど
今は…言えないんだ
だって
きっと今それを口にしたら泣きそうだから
そんな簡単な言葉にしちゃいけない気がするから
翔ちゃんがしてくれた事は
もっともっと、大きな意味があると思うから…
帰り道の途中で、俺が目が潤んでくるのを必死に耐えている時
相葉さんも泣きそうになってるなんて、知らなかった