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旅は続くよ

第1章 ひとつ屋根の下

S「なんで俺に言ってくれなかったの?」

O「…忘れてました」

S「ごめんなさいは?」

O「…ごめんなさい」

“翔ちゃん”の言葉に素直に頭を下げる

S「潤も聞いてなかったんだろ?」

M「…うん」

S「ごめんなさいは?」

A「…ごめんなさい」

今度は相葉さんが素直に頭を下げた


S「で、キミはなんで住むとこなくなっちゃったんだ?」

今度は矛先が俺に向けられた



なんだよ、面倒くせーな~

こんなの相葉さんから話が通ってると思ったのに…

N「えっと…、前に住んでたアパートが建て替える事になって…」

仕方なく事情を掻い摘んで話した


建て替えるに当たって用意されたアパートは家賃が高かった事

建て替えた後のアパートも家賃が高くなる予定で家計を圧迫してしまう事

定期的に続けてた仕事先が無くなってしまっている事

頼る親戚も実家も無い事



S「立ち入るようで悪いけど、ご両親は?」

N「母親はこの世にいません。父親は…、いるっちゃーいるけど…他所にご家庭を持ってるんで」

S「そう。仕事は?何やってるの?」

N「フリーのライターです」

A「ニノは昔から作文が上手かったもんね~
雑誌にもね、毎月ちゃんと名前入りで記事が載ってるんだよ?」

N「それが廃刊になっちゃったんだよ」

A「うっそ!…あ、そっか…。
俺ここんとこバタバタしてて買ってなかったから…」

N「…別にいいよ」


相葉さんが俺の雑誌どころじゃ無かったのは承知してる

1冊2冊買い手が減ったから廃刊になったわけじゃないんだし

もともと発行部数の少ない零細出版社のマイナー雑誌だったんだ

それでも俺の貴重な定期収入だったわけだけど



S「OK。だいたい事情はわかった。
で?家賃貰ったりすんの?」

O「決めてねーな。どうしよっか」

S「我が家も金持ちってわけじゃないんでね
どうかな。体で払って貰うってのは」

N「へ?」


なんだか話が急展開

…体で払うって何?


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