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旅は続くよ

第1章 ひとつ屋根の下

O「潤には台所任せるんだろ?店番は?」

S「何言ってんの、それ智くんの仕事だろ?掃除とかは?」

O「あ、いいんじゃない?」

S「決まりな。キミは掃除担当」

N「それって…、俺はココに住んでいいって事…?」

話がトントン急に進んで頭がついていかない


N「家賃代わりに掃除しろって事?」

O「掃除、できる?」

できる?って何だ

大人なんだからそんぐらい出来るわ

N「まあ、人並みには」

O「良かったね、翔ちゃん」

S「ん~、これで苦手分野から暫くおさらばできるぜっ」

どうやら掃除さえしてりゃココに住んでいいらしい


…なんだったんだ!『家族会議』!?

何も話し合いなんかしてねーし!



A「ねえ。俺は家賃いくら払えばいい?」

O「お?雅紀はいらねーよ」

A「そんなワケにはいかないよ!
俺だって働いてんだし」

M「俺も。家事はもちろんするけどさ、バイトすりゃ家賃くらい」

A「潤の分は俺が払うのっ」

M「まー兄!」

A「ダメ。潤は勉強があるだろ?」

S「そうだよ。バイトしてたらメシ作れねーじゃん」

O「食費はちゃんと貰う。部屋はどうせ余ってんだからいらないよ」

A「でも」

S「うるっせぇ!!いらねーつってんだからいらねー!
その代わり、きちんと働いて金貯めろ!キミも!」

あ~あ、とばっちりがこっちにも来た

O「ほら、翔ちゃんキレると怖いんだから、この話は終わり。な?」



名ばかりの『家族会議』の後、自己紹介が始まって

やっと玄関の4つ並んだ表札の謎が解けた


5人全員複雑な家庭に育っていて

揃いも揃って親がいないなんてね

まあ、俺には何年も顔を見てない父親ならいるけど…


まるで野良猫の集まりみたい

それでも、雨風凌げて温かいメシにありつけるなら有難い話だ



こうして奇妙な5人での生活が始まった



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