旅は続くよ
第23章 あなたに1番に
N「翔ちゃんには情けないとこいっぱい見せちゃって…。
でも、翔ちゃんが俺の中にあった汚いモノを掻き出してくれたから、俺…」
汚くなんてなかった
キミの心の奥に溜まっていた哀しみは
長い時間をかけた澱のようにトロリとしてて
それさえも淡い輝きを湛えた綺麗なモノだったよ
その哀しみに手をかけたのも
しゃがみ込むキミを無理やりのように立たせたのも
こんな気持ちになるのなら
キミの為だったと言えないかもしれない
キミが好きだから
大好きだから
全部自分の為だったのだとしたら
俺は、なんでもっと純粋にキミの役に立とうとしなかったんだろう
S「ごめんな?せっかくニノの門出の報告なのに…。
俺はただ、お前の為にもっと」
N「だから!これ以上ないってくらい翔ちゃんのおかげなんだって。…バカ!」
ちょっと勢いで伸び上がった体が不意に止まって
みるみるニノの瞳が潤んできて
そのまま俺の肩にトンと体を預けてきた
N「バカやろぉ…」
S「……うん」
肩に額を押し付ける細く頼りない姿
泣いているかのように少し震えている
そっと抱きしめてやりたくて
でも、それもまた自分の為なのだとしたら…?
そんな風に躊躇っていたら
小さな手が俺の腕をギュッと掴んだ
N「…翔ちゃんのバカ……」
S「うん。…ごめん」
ごめんな?
俺はバカなんだ
キミの事になると、いつだって途端にバカになる
キミの為とか自分の為とか、意味不明な事に拘って
それでもそれを拭いきれないバカな男なんだ
S「…ありがとう」
N「…お礼言うのコッチだって…。
もう………、バカ…」
そうじゃない
お礼を言うのはコッチだよ
キミの存在が俺を幸せにする
キミの温もりが俺の鼓動を早くする
ニノに掴まれてない方の手をおそるおそる伸ばして
柔らかな茶色の髪をそっと撫でた
N「俺…、やれるだけ、やってみるから…」
S「…応援してるよ、ずっと」
N「…うん……」
甘えたように肩口に擦り寄る姿が愛おしくて
ずっと
ずっと髪を撫で続けた
でも、翔ちゃんが俺の中にあった汚いモノを掻き出してくれたから、俺…」
汚くなんてなかった
キミの心の奥に溜まっていた哀しみは
長い時間をかけた澱のようにトロリとしてて
それさえも淡い輝きを湛えた綺麗なモノだったよ
その哀しみに手をかけたのも
しゃがみ込むキミを無理やりのように立たせたのも
こんな気持ちになるのなら
キミの為だったと言えないかもしれない
キミが好きだから
大好きだから
全部自分の為だったのだとしたら
俺は、なんでもっと純粋にキミの役に立とうとしなかったんだろう
S「ごめんな?せっかくニノの門出の報告なのに…。
俺はただ、お前の為にもっと」
N「だから!これ以上ないってくらい翔ちゃんのおかげなんだって。…バカ!」
ちょっと勢いで伸び上がった体が不意に止まって
みるみるニノの瞳が潤んできて
そのまま俺の肩にトンと体を預けてきた
N「バカやろぉ…」
S「……うん」
肩に額を押し付ける細く頼りない姿
泣いているかのように少し震えている
そっと抱きしめてやりたくて
でも、それもまた自分の為なのだとしたら…?
そんな風に躊躇っていたら
小さな手が俺の腕をギュッと掴んだ
N「…翔ちゃんのバカ……」
S「うん。…ごめん」
ごめんな?
俺はバカなんだ
キミの事になると、いつだって途端にバカになる
キミの為とか自分の為とか、意味不明な事に拘って
それでもそれを拭いきれないバカな男なんだ
S「…ありがとう」
N「…お礼言うのコッチだって…。
もう………、バカ…」
そうじゃない
お礼を言うのはコッチだよ
キミの存在が俺を幸せにする
キミの温もりが俺の鼓動を早くする
ニノに掴まれてない方の手をおそるおそる伸ばして
柔らかな茶色の髪をそっと撫でた
N「俺…、やれるだけ、やってみるから…」
S「…応援してるよ、ずっと」
N「…うん……」
甘えたように肩口に擦り寄る姿が愛おしくて
ずっと
ずっと髪を撫で続けた