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旅は続くよ

第24章 帰ってきてよ

Mside



まー兄に会えない時間だけがただ過ぎていく

最初は合わす顔もなくて、自分から避けていたけど

ニノが会いに行ってくれて

『もう少し時間が掛かりそうだよ』と言われて

時間と共に苦しさだけがが増していく



なんで…あんな事言っちゃったんだろう

あの時は、言わない事が苦しかった

だから勢いに任せて口走った

後先も何も考えずに


バカ過ぎんだろ…

言わない方がきっとマシだった

まー兄をこんなに苦しめるくらいなら…

後悔に押し潰されそうだ


まー兄、きっと泣いてる…

こんな筈じゃ無かった、って

大事に育てた弟の筈なのに、って

とんだ恩知らずだった、って


そして、そんな思いをさせてるのは

俺…なんだ…


まー兄が帰って来れないのも俺のせいだ

ホントは帰って来たいだろうに

大好きなニノと暮らしたいだろうに

俺があんな事言ったせいで

俺がいるせいで…


こんなのは違う

おかしいよ

時間を巻き戻せるなら

あの時の俺をブン殴ってでも止めるのに…


ダメだ

こんな風に後悔してるばっかりじゃ

まー兄の為に何もしてあげられてないのと同じ事じゃないか

俺が壊したまー兄の日常を

せめて少しでも取り戻さなきゃ


…例え、俺に向けられるあの笑顔を

取り戻せなくても…


まー兄の店の閉店間際を狙って

俺は、滅多に来ない店へ向かった





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