旅は続くよ
第30章 変化
Aside
プチ家出から戻ってきて
一見変わりないような生活は、実は大きく変わっていた
朝食を食べ終えて出勤前に歯を磨こうと洗面所に行ったら
先にいた潤と鏡の中で目が合った
鏡の前で歯を磨く姿なんて、何百回、何千回と見てきたはずなのに
ドキン…
心臓が音を立てる事に自分でも驚いてしまう
M「ん」
A「…サンキュ」
1歩後ろに下がって場所を空けてくれたから、俺も歯を磨きだす
シャコシャコと歯ブラシが擦れる音の中、ふと視線を動かすと
鏡越しに俺を見る潤の視線とぶつかった
M「ひょう…」
A「え?」
M「…今日、帰り早い?」
あ、『今日』か
歯磨きしながらだから、何言ってんのかと思った
A「…うん」
M「そう」
そこまで言うとまたシャコシャコと歯を磨く
…帰りの時間なんて聞いて…なんだろ?
俺もまた磨きだすと、潤が話し掛けてきた
M「俺も早いんだ。教授、まだドイツだから」
A「そうなんだ」
M「うん」
阿吽の呼吸で今度は俺が1歩下がって場所を空ける
歯ブラシを咥えた潤が1歩進んでウガイをした
M「デート、しない?」
A「デッ、デート?」
M「嫌?」
鏡の中の瞳に向かって首を振って見せる
嫌なはずがない
ちょっと驚いただけだよ
だって、今まで俺らの間では有り得なかった単語だったから
M「じゃあ早く帰ってきて夕飯の支度してから出るからさ。
まー兄、仕事終ったら何処かで待ち合わせしない?」
A「あ…、うん。じゃ、えっと…終わる時間メールする」
M「そうして」
そう言って洗面所を出て行こうとする潤の背中に声を掛けた
A「潤」
M「ん?」
振り向いた顔にまたドキンと心臓が音を立てて
A「…あの…、た、楽しみにしてるから…」
M「うん。…俺も」
潤は輝くような笑顔を見せて洗面所を出て行った
プチ家出から戻ってきて
一見変わりないような生活は、実は大きく変わっていた
朝食を食べ終えて出勤前に歯を磨こうと洗面所に行ったら
先にいた潤と鏡の中で目が合った
鏡の前で歯を磨く姿なんて、何百回、何千回と見てきたはずなのに
ドキン…
心臓が音を立てる事に自分でも驚いてしまう
M「ん」
A「…サンキュ」
1歩後ろに下がって場所を空けてくれたから、俺も歯を磨きだす
シャコシャコと歯ブラシが擦れる音の中、ふと視線を動かすと
鏡越しに俺を見る潤の視線とぶつかった
M「ひょう…」
A「え?」
M「…今日、帰り早い?」
あ、『今日』か
歯磨きしながらだから、何言ってんのかと思った
A「…うん」
M「そう」
そこまで言うとまたシャコシャコと歯を磨く
…帰りの時間なんて聞いて…なんだろ?
俺もまた磨きだすと、潤が話し掛けてきた
M「俺も早いんだ。教授、まだドイツだから」
A「そうなんだ」
M「うん」
阿吽の呼吸で今度は俺が1歩下がって場所を空ける
歯ブラシを咥えた潤が1歩進んでウガイをした
M「デート、しない?」
A「デッ、デート?」
M「嫌?」
鏡の中の瞳に向かって首を振って見せる
嫌なはずがない
ちょっと驚いただけだよ
だって、今まで俺らの間では有り得なかった単語だったから
M「じゃあ早く帰ってきて夕飯の支度してから出るからさ。
まー兄、仕事終ったら何処かで待ち合わせしない?」
A「あ…、うん。じゃ、えっと…終わる時間メールする」
M「そうして」
そう言って洗面所を出て行こうとする潤の背中に声を掛けた
A「潤」
M「ん?」
振り向いた顔にまたドキンと心臓が音を立てて
A「…あの…、た、楽しみにしてるから…」
M「うん。…俺も」
潤は輝くような笑顔を見せて洗面所を出て行った